今年度も宜しくお願い致します

4月ももう半ばを過ぎてしまいました。今年はやっとマスクも取れ、笑顔の見れる新年度がスタートしました。

当会も2年に一度の会長選があり、体制新たにスタート致しました。

それと同時に、長年に渡り豊島区の伝統工芸界で活躍してくださった渡邊勉氏(籐工芸)、加藤氏(江戸凧)、鎌田氏(藤工芸)の3名の伝統工芸士がご高齢の為当会を退会される事になりました。

筆者が当会に入会した際、渡邊氏に

「君みたいな若造に、僕たちが築いてきた伝統工芸界に何が出来るの?」

という厳しいお言葉を頂いたのが本当に昨日の様です。しかしその厳しいお声掛け頂いたからこそ、「何が出来るかわからないけど、先代たちが築き上げてきた伝統工芸界を何としても残していかなければ!」という気持ちが益々強いものになったのは言うまでもありません。それこそ、最初はビクビクしながらご挨拶していましたが、回を重ねるごとに渡邊さんの笑顔や優しさ、そして厳しさが滲み出てくるのがわかり、初めて微笑んでくれた時はホッとしたのを覚えています。

残念ながら、加藤氏と鎌田氏に直接お会いした事は無いのですが、加藤氏の引退と共に、豊島区から江戸凧の工芸士はいなくなってしまいました。そして籐工芸も残るはあと一工房です。

時代の流れといばそうなのかもしれませんが、この様にして日本の素晴らしい工芸が後継者無くして消えて行ってしまうのは本当に悔しく感じます。

*写真クリックで作品ページをご覧いただく事ができます。


渡邊 勉
昭和25年より籐工芸の道に入る
昭和35年「渡辺商店」設立
平成01年 東京都伝統工芸士
平成22年 東京マイスター知事賞、現代の名工
平成26年 豊島区登録無形文化財保持者
平成28年 黄綬褒章

 


加藤秀吉
中野啓造氏に師事し津軽武者凧の指導を受ける。
江戸凧作家として活動。

 

鎌田美恵子
家業である籐工芸を義父のもとで学ぶ。
籐製品の制作・販売・工芸教室講師を永きに渡り務める。

 

渡邊さん、加藤さん、蒲田さん、長い間本当にお疲れ様でした。

さて、今年度の豊島区伝統工芸保存会は下記の体制に決定いたしました。

会 長 : 上原實(友禅)
副会長 : 早川福男(江戸提灯)
副会長 : 高橋定祐(江戸三味線)
事務局長: 宮本祐子(江戸べっ甲)
副事務局: 齋藤小風(つまみ細工)
会 計 : 鶴見剛(江戸象牙)
会 計 : 平田武士(江戸組紐)
会計監査: 島 功(貴金属装身具)
監 査 : 糸澤昭雄(和裁仕立て)
相談役 : 平田晃(江戸組紐)

以上

今年度もどうぞ宜しくお願い致します。

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